新しく介護サービスを受ける利用者がいる場合、介護職には事前にその利用者に関する情報を得ます。
たとえば日々のバイタル情報などが伝えられるため、これらを総合的に分析したうえで、利用者のカラダや心はどんな状態になっているかを把握することが必要です。
しかし、どんなに綿密な情報がもたらされても、それを分析する能力がなければ利用者の真の姿には迫れません。
よく、介護職にはコミュニケーションスキルが重要といわれますが、それに加えて、情報分析能力というのも必要とされています。
なぜなら、重要なポイントを見過ごしてしまうことは、重大なリスクにつながる可能性も秘めているからです。
たとえば、ADL状況についてポイントをおさえていたとしても、その人の認知状況や生活上の志向などをからめていかないと転倒事故の要因になってしまいます。
ADLの低下に対し、それを自分で認知できない人が何かに反応してたちあがろうとすることはよくあります。
その瞬間がどんなシーンで訪れるかを予測するのは、ADLの状況だけみていては難しいものです。
そこで大切なのは数ある情報を組み合わせて必要な情報を読み取れるかということこと。
さらに、洞察力が備わっているかどうかも大事になります。
バイタル情報などの随時もたらされる情報や自分の目や耳で得たリアルタイムな情報を、バラバラに捉えたり表面だけ捉えることなく、真実に向けたストーリーとして組み立てていくことが大切になります。